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■ 賢い家づくりの正体(9)
【可変間仕切り=将来設計住宅】
①民家と今の家の違い
戦後から今日までを振り返ると住宅業界の技術的な発展や様々な開発は目覚ましいものがあるといえる。
特に民家の骨組である構造部は、柱や梁のある工法ではあるが、現在の木造軸組工法とは根本的に違う部分がある。
何が違うのかといえば
(筋交い入りの”軸組工法”)
柱や梁の大きさが違う。
しかし、それ以上に違うのが壁の構造だ。
木造軸組工法の壁構造は「筋かい」という存在が肝となっている。
言葉はなんとなく聞いた人も多いだろう。
ところが、これが民家の壁部分にはない。
勿論、法隆寺に代表される社寺建築にもない。
これが無いからといって構造に決定的な問題があるかというとそうではない。
今の壁構造に対する考え方が少し違っただけで、それに変わる工法はある。
その工法名は「貫工法」だ。
今まで「民家」に立ち返ることが重要だとお伝えしてきた。
しかし、住宅木造軸組工法が衰退してしまったわけではない。
柱や梁のサイズダウンは誰が考えても良くないが、壁についてはそういうこともいえないのだ。
実は、柱と柱の間の壁が家を丈夫にするためには重要と考える。
しかも、バランスよく配置された壁は強靭だ。
そこの部分の柱と梁、土台の交点に構造材を配置すると地震などの揺れの動きを止めることができる。
斜めに1本入る場合と襷がけに入る場合とがある。
だから、この壁が重要なのだ。
一方、貫工法の場合は斜めに構造材が入らない。
柱と柱の間に何本か地面平行に「貫」という板が入る。
建物外周部だけでなく、建具の無い部分は、この構造材が入るのだ。
しかも、それぞれの柱には穴が開いていて、その部分を貫が通っていくのだ。
この工法により壁部分を強化する考え方となっている。
つまり、方法が違うだけで考え方は同じなのだ。
現在は、更に構造を強化させるための窓部分である開口部の広さや大きさが制限され、壁面積を増やす傾向にある。
このことのメリットは構造が丈夫になるだけではない。
外周部で体力壁が確保されたら、内部はある程度自由になる。
つまり、フリーな間取りが可能となる理屈だ。
大空間のオープンな間取りも可能となる。
リフォームも構造を気にせずに計画することも理屈上は可能となるのだ。
将来を考えたら構造部分に目をやりある程度の費用を投下することで長寿命住宅が現実のものとなるだろう。
これこそが、トータル的視点から言うとローコスト住宅の条件であるといえるのだ。
(貫工法)
※次回は、この話をもう少し現実の住宅に置き換えて見たい。








