窪田建設のヒデ社長-ここだけの話

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■ 賢い家づくりの正体(11)

【なぜ、日本の家=“木の家”が今尚主流なのか?】   

木曽ひのき.JPG そもそも、日本の住宅の歴史を紐解くと、いつでも調達可能な自然素材で家をつくる。
これは、常識に近いものがあったといえよう。
しかし、なぜそこまで日本人は「木」という素材にこだわってきたか?
そこで、「木」のことを少し知っていただく情報をお伝えする。工法を学ぶ事より簡単な話だし、大切なことだと思うからだ。 なぜ、木は軽くて強いのか?
なかなか理解できずに鉄骨や鉄筋コンクリートに優位性が在ると考える人が多い。
間違いでも無いが、間違いだとも言える。

そこで、「木」が住宅に相応しい強いといえる本当の理由をお伝えしたい。間違っても、イメージで捉えてしまったらとんでもないことになる。
賢者の住宅づくりとして、必ず一度は触れておく必要のあることだ。


「木」というと「草」に近いイメージがあるから弱いと考えてしまう。

しかし、育つ環境や生命そのものが持っている生存力という観点を踏まえると、どうやら大きな誤解をしている人が多いことに気づくものだ。

樹幹はパイプ状の繊維の束になっている。

パイプの外側はミクロの繊維がスパイラル状に取り巻く。

なぜ、そういう構造になったのか。

当然ながら生物としての自然界の弱肉強食の生存競争の歴史から成長してきたといえよう。

木は、CO2が食料。

光合成を行い成長していくためには、太陽の光が無ければ無理。

そのためには、どんな植物よりも高いところに葉を出す必要が出てくる。
つまり、限られたエネルギーを最大限有効に使って、風雨や風雪に耐え、どんな植物よりも高く育つことを強いられてきたといえる。

木は、いわば神がつくった究極最強の素材ということになる。

そんな存在が木である。
それでは、どれだけ神がつくり上げた素材が強いのかをお伝えしたいと思う。 木の単位断面積当たりの強さは、樹種(木の種類)によって異なる。

今回は、国内で一番植林が多く建築構造木材としては強度的に普通か若干弱いとされる「杉」と「鉄」で比較してみたい。

「杉」は、約90N/mm2。

「鉄」は、約400N/mm2。
これだけを比較すると「鉄」が強いことになる。

しかし、単位断面積当たりの強度には材料の重さの要素が入っていない。

建物にかかる地耐力は、建物重量に比例する。

建物構造用材料としては、強度だけでなく重さが実は相当重要な要素となる。
この要素を加える。

「杉」約250N/mm2。28N/mm2。

「鉄」約65N/mm2。27N/mm2。

つまり、「杉」は「鉄」より約4倍強いことになる。

こういう特性を生かしてつくられている住宅は必然的な運命によって選定されている。

この特性を上手に使っているのが長野市のMウェーブや出雲市のもくもくドーム、宮崎県の木の花ドーム、熊代市の大館ドームなどがある。
 木の家を弱いと表現する人がいたとすれば、それは本当のことを知らないとしか言いようが無い。



間違いなく木の家は強いのだ。


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■ 賢い家づくりの正体(10)

【本当のローコスト住宅とは?】 

木のおもちゃ.JPG 住宅を計画している多くの方にとって心配ごとの一番は、幾ら掛かるのか?だ。
誰だって人生最大の買い物の金額が分からずに契約する人はいない。
当然、高いより安いほうが良いに決まっている。
だからといって何でもいいなんて人もいない。
でも、日本経済の先行き不透明な世の中で夢のライフスタイルを可能としてくれる住宅はローコスト住宅には無い。
原油も高騰し金銭的には不安になるのも当たり前だ。
しかし、いつどれだけお金が必要なのか?
そんなことを自問自答してみても自分でさえ明確な感覚で答えられないことに驚く。
そういう観点から無難なローコスト住宅を選択する人もいるだろう。
ここに落とし穴が大きく口を開けて待っていることに気づいて欲しい。


前回まで、長寿命住宅について解説してきた。
そして、今までの家づくりからこれからの賢い家づくりについてお伝えしてきた。
もしかしたら、混乱してしまっているかもしれない。
しかし、家づくりを考えることは先の人生を考えることでもある。
だからこそ、一度一生懸命に脳に汗をかいてシワを沢山つくって欲しいのだ。
単にデザインや間取りや目先の価格だけで結論を出すべきではないといいたい。
それだけ、先の人生を考えることは重要であり最も大切なことだからだ。
そこで、賢者は本当のローコスト住宅を知っているということだ。
つまり、家づくりは新築して終わりでは無いということを考えてほしいのだ。
「ビルド&スクラップ住宅」が日本の住宅だとお話してきた。
だから、長寿命住宅化に進むべきだともお話してきた。
更に地球規模の環境を考えてCO2を削減しなければならないともお話してきた。

フランス建築は、外から見ると相当昔の建物に見えるが、中に入るとリフォームがバッチリと施されていて外観から受ける印象とはまるで違う。お洒落な国、芸術の国として世界から崇拝されている国民性がここに見られる。
だからといって無駄なことはしていない。
合理的で感性豊かな国民性だと思う。
様に賢さと芸術さが混在しているのだ。
話が少しそれたが、家の本当のローコスト化とは建ててから壊すトータルな費用を考えなければならない。
どうも新築時の費用のみを頭に入れてしまう傾向があるのだ。
だから、短いサイクルで壊してしまう。

 例えば、こんな計算がなりたつ。


※従来から言われているローコスト住宅(短命住宅)新築⇒{1500万円(25年)+解体費200万円=1700万円}×4(100年住宅)=6800万円  

    いわゆる超長寿命住宅    {新築⇒2500万円(50年)+リフォーム費500万円=3000万円}×2=6000万円


 あまりに単純計算過ぎてと思われるかもしれないし、実際にこうなるのかも不明だが、間違いなく地球環境や資源の有効活用という点においては後者の建物が正しい住宅のあり方ということにもなるだろう。
しかし、こんな計算が成り立つとしたら、どちらが賢者の住宅づくりといえるだろうか?
是非、こんな点についても考えてみていただきたい。
ヨーロッパでは、実際にこのような思考で住宅を捕らえている。
また、中古住宅流通が基本となっているので、いい加減な住宅は良い値が付かない。
だから、貧弱で人気ので無そうな改造車的住宅をつくろうと考える人はいない。
歴史的背景のある国であれば、賢者の志向が発達していて成熟社会の暮らし方を良く知っているのだ。

 


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■ 賢い家づくりの正体(9)

【可変間仕切り=将来設計住宅】

①民家と今の家の違い 

戦後から今日までを振り返ると住宅業界の技術的な発展や様々な開発は目覚ましいものがあるといえる。
特に民家の骨組である構造部は、柱や梁のある工法ではあるが、現在の木造軸組工法とは根本的に違う部分がある。
何が違うのかといえば

木構造図.gif

(筋交い入りの”軸組工法”)


木構造-1.jpg 柱や梁の大きさが違う。
しかし、それ以上に違うのが壁の構造だ。
木造軸組工法の壁構造は「筋かい」という存在が肝となっている。
言葉はなんとなく聞いた人も多いだろう。
ところが、これが民家の壁部分にはない。
勿論、法隆寺に代表される社寺建築にもない。
これが無いからといって構造に決定的な問題があるかというとそうではない。
今の壁構造に対する考え方が少し違っただけで、それに変わる工法はある。
その工法名は「貫工法」だ。

今まで「民家」に立ち返ることが重要だとお伝えしてきた。
しかし、住宅木造軸組工法が衰退してしまったわけではない。
柱や梁のサイズダウンは誰が考えても良くないが、壁についてはそういうこともいえないのだ。
実は、柱と柱の間の壁が家を丈夫にするためには重要と考える。
しかも、バランスよく配置された壁は強靭だ。
そこの部分の柱と梁、土台の交点に構造材を配置すると地震などの揺れの動きを止めることができる。
斜めに1本入る場合と襷がけに入る場合とがある。
だから、この壁が重要なのだ。
一方、貫工法の場合は斜めに構造材が入らない。
柱と柱の間に何本か地面平行に「貫」という板が入る。
建物外周部だけでなく、建具の無い部分は、この構造材が入るのだ。
しかも、それぞれの柱には穴が開いていて、その部分を貫が通っていくのだ。
この工法により壁部分を強化する考え方となっている。

つまり、方法が違うだけで考え方は同じなのだ。
現在は、更に構造を強化させるための窓部分である開口部の広さや大きさが制限され、壁面積を増やす傾向にある。
このことのメリットは構造が丈夫になるだけではない。
外周部で体力壁が確保されたら、内部はある程度自由になる。
つまり、フリーな間取りが可能となる理屈だ。
大空間のオープンな間取りも可能となる。
リフォームも構造を気にせずに計画することも理屈上は可能となるのだ。

将来を考えたら構造部分に目をやりある程度の費用を投下することで長寿命住宅が現実のものとなるだろう。
これこそが、トータル的視点から言うとローコスト住宅の条件であるといえるのだ。

木構造-2.jpg

(貫工法)           

※次回は、この話をもう少し現実の住宅に置き換えて見たい。


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■ 賢い家づくりの正体(8)

【間違いだらけの“200年住宅”に騙されない】

 

木組み構造躯体.JPG 世間では、200年住宅という言葉が乱立している。
基本的な条件や概念も無いままに振り回されている人も少なくない。
だいたい、どんな家が200年住宅なのか?
もっというと何で100年住宅ではなく200年住宅なのか?
こんな単純な疑問に答えている情報がほとんど無い。
これから家づくりを計画している人に失礼な話だ。
混乱の種をまき散らすのは考え物だ。
 

そこで、200年住宅に関わる沢山の誤解を払拭しておく必要があるので触れてみたい。

 

代表的な間違いや誤解を2つお伝えすることにする。


誤解(1)

基本的概念の誤解が甚だしい。
新築した住宅が200年そのまま維持されるなどと勘違いしている人が多い。
また、そういう住宅をつくってくれると誤解してしまう方も多い。
確かに「ストック住宅」とか「“量”から“質”へ」と表現してきた。
しかし、根本的に誤解がある。
概念として長く維持できる住宅づくりを推進することは良いことだとお伝えしてきた。
これは、概念だ。
では、現実的具体的にはどんなことなのか。 
いたって単純な考え方だ。 実は、「瑕疵担保責任履行法」(09年秋から引渡しの物件から、新築住宅を引き渡すには保証金か、保険加入を業者は義務付けられる)の中身から言うと以前より10年間の建物の瑕疵責任が義務図けられている(姉歯元設計士やヒューザーの構造計算偽装事件のときも同様)。
しかし、いくら法制化されていても住宅会社が倒産してしまうと責任保証を現実には履行できず、購入者であるお施主様は泣き寝入りすることになる。
また、10年以上の保証を宣伝しているところもあるが、これは検査を前提とした延長保証によって可能となっている。
簡単に言うと家電と同じで1年間は無料で保証されるが、多少の出費で3年間まで保証してくれるという仕組みと同じだ。
つまり、10年経過した時点で検査をし、保険が定める箇所を修繕してから延長保険に加入し更に10年を保証してもらう。 

10年×20回(点検・メンテナンス)

=200年住宅

これこそが、200年住宅の正体であり概念といえる。
つまり、中古住宅流通が法律の基本的な考え方に組み入れられているからに他ならない。
住宅会社やお施主様の意気込みなどで客観性は担保されない。
だから、第三者の検査機関が検査をして修繕箇所があれば指摘し、完全に指示道りになったことを確認し延長保証を行う。
例外なく、住宅会社サイドが大手であろうが個人大工さんであろうが同じなのだ。 

 

誤解(2)

そもそも、200年住宅などというものは世の中に存在しない。
この言葉は、あくまでも長期優良住宅を意味した愛称のような存在だといえる。
しかし、この言葉の出所は「国土交通省」だったと思う。
じゃー「200年住宅」というものは何なんだぁ~?と首を斜めにしたくなるのも無理からぬこと。
国土交通省は、現在「超長期優良住宅」という表現や「長期優良住宅」ということばで語っている。
ただ今「超長期住宅先導的モデル事業」の受付を、H20,4月11日に説明会を開き募集をはじめている。


◆事業主旨
超長期住宅先導的モデル事業は、「いいものをつくってきちんと手入れして長く大切に使う」というストック社会の住宅のあり方について、具体の内容をモデルの形で広く国民に提示し、技術の進展に資するとともに普及啓発を図ることを目的にしております。
この観点から、先導的な材料、技術、システムが導入されるものであって、住宅の長寿命化に向けた普及及び啓発に寄与するモデル事業の提案を公募によって募る。 
(国土交通省より)


新築して何もせずに200年維持できる住宅を意味しているわけではない。
勝手に言葉が独り歩きしているのだ。 

だから、大きく誤解されてしまう。

怖いのは、この言葉が拡大解釈され、つまらない犯罪に繋がらなければと願うばかりだ。 


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■ 賢い家づくりの正体(7)

【“古民家”に賢い家づくりの秘密がある】

 

 

合掌づくり.JPG 建物の捕らえ方はある意味において面白い。
日本では、
新築した瞬間がピークだと考えている。
それ以降は、古くなるだけ。

そんな
淋しい考え方だ。
日本人特有の刷り込まれた思考と言われてしまう。
成熟国などでは、良い建物は古くなるほど味わいが増し価値が上がるという。

本当にそこまでかどうかは別としても、かつて日本もそうだった。
理由は簡単な話だ。
日本の「古民家」を見ればお解かりになるだろう。
事実、価値ある建物は移築されたり巨額の修繕費を投下してでも維持する。
建物の完成時が頂点など馬鹿げていると感じてしまうのだ。


京都」や「奈良」は、古都全体が世界遺産登録されるほどに世界で高い価値が尊まれている。
どうだろうか。
建物
の価値は、本当に新しいものしか価値が無いと本当に思うだろうか。

少し、話題を変えてみたい。

どの家も、かつての民家の間取りが似ていた。
ワンパターンといっても過言ではないほどに似ていた。
玄関の位置も。
座敷の位置も。
今もの位置も。お風呂の位置だって、キッチンの位置だってほぼ同じだった。しかも、決まって和室は何部屋かが繋がっていた。
襖を開け放つと大きな部屋に早代わりするようにつくられていた。
縁側もあり、そこにはたいがい障子戸で部屋と縁側を区切ってあった。
太い大黒柱もそうだ。
大きな土間もあった。
生活の基盤は、農業だ。
動物も飼っていた。
牛であったり、ヤギであったり、鶏であったりした。

勿論すべての家がそうであったわけではないが、比較的そんな感じの家が多かったように思う。 つまり、快適で合理的な「形」の家は類似していたのだ。

白川郷の合掌づくりなども地域性を繁栄した典型的な民家ではあるが、ワンパターンであることも事実だろう。
つまり、暮らしやすい「形」とは、ある程度決まっていたのだ。
だからといって単なるワンパターンではない。
しっかりとした対応力をはじめから備えたワンパターンなのだ。
 先ほども触れたが、建具を開け放つと大きなワンルームになる万能性を計画段階から組み入れてあるという優秀さは見事としか言いようが無い。 プライベートを優先したアメリカの暮らしや間取りを褒め称える人もいたが、家の平均床面積が違いすぎる。
日本の倍以上大きさが違うアメリカの普通の暮らしと比べることに実は何の意味も無いのだ。

確かに地域性はある

雪の多い地域。
雪が降らない地域。
湿度の高い地域。
低い地域。
海沿いの地域。
山岳部地域。

 とにかく地域性はあるが、間取りは以外に共通していた。 勿論、決定的に日本固有の文化といえば「素足文化」であろう。
靴を脱いだ生活が前提になる。
また、風呂にはいる生活習慣も特徴的だろう。
 
だから、「民家」は何世代にも渡って脈々と住み継がれてきたといえる。
 もし、瞬間的時代だけを切り抜いて間取りを勝手気ままに構成したとすれば短命なものになっていたかもしれない。
日本人は、どの民族よりも合理主義者で聡明なのかもしれない。
先見性があって奥深い志向の持ち主なのかもしれない。
 このことを証明する良い例をお伝えしよう。 それは、世界で絶賛される「てぬぐい」の性質を考えたらよい。 普段は、腰に下げているので邪魔にならない。しかし、日差しのキツイ時など広げて頭にかぶることが日をある程度抑えることもできる。
当たり前だが、汗を拭くこともできる。
捻ってハチマキにすることで汗を額で止めることもできる。しかし、存在は単なる布切れでありデザインといってもとてもシンプルそのもの。

こんな持ち物を考え出し常時身につけている民族がどこにいるだろうか。

先人達の考え方は、素晴らしいと改めて感じる。
 次回は、世間で騒がれだした通称200年住宅に迫ってみたい。

実は、住宅業界も大きな勘違いをしている。
正に「間違いだらけの200年住宅」の理由について触れたい。

 


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